コラム

胚のグレード分けについて知ろう。 3日目胚と5日目胚盤胞、移植するならどちらがいい?

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胚はどのようにグレード(等級)分けされるのでしょうか?

体外受精治療を受けている患者さまから、診察時によく「胚のグレードは良いですか?妊娠の可能性はありますか?」という質問をいただきます。
妊娠の成功率は、胚の品質と大きく関係しています。では、胚培養士は着床前染色体スクリーニング検査(PGS/PGT-A)以外に、どのような方法で胚や胚盤胞の質を判断しているのでしょうか?

その答えが「形態学(Morphology)」による評価です。
胚培養士は顕微鏡で胚を観察し、細胞の数や大きさ、フラグメント(細胞片)の量などを総合的に評価して胚のグレードを判定します。

そして、グレードの高い胚ほど着床の可能性が高いと考えられています。



一、どう見る、胚のグレード?

胚は培養開始から移植までに、次の3つの段階を経ます。

1.分割期(2〜3日目)
2.桑実胚(4日目)
3.胚盤胞(5〜7日目)

それぞれの段階で、胚には異なる評価基準・等級があります。
胚の培養報告書を見ると、アルファベットや数字の組み合わせが並んでおり、「この記号はいったい何を意味しているの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか?

ここでは、「胚のグレードの見方」を3つのステージに分けて整理し、ご自分の胚の状態をより深く理解できるように説明します。


3日目胚(2〜3日目の胚、分割期とも呼ばれます)

3日目胚(2〜3日目の胚、分割期または分割期とも呼ばれます)
3日目胚の分割期(cleavage stage)とは、受精から2〜3日目の胚を指します。この時期の胚は、6〜8個の細胞に分裂しています。

【評価項目】 細胞数/細胞の大きさ/フラグメント(細胞片)の量
評価は5段階に分類され、 G1・G2・G3が良好、G4・G5はやや劣るとされます。
(例)
8G1 … 8個の細胞があり、グレード1(細胞の大きさが均一でフラグメントなし)
4G3 … 4個の細胞があり、グレード3(細胞の大きさにばらつきがあり、フラグメントを含む)


桑実胚(4日目の胚、胚盤胞になる前の段階)

桑実胚(morula stage)とは、受精から4日目の胚を指します。
受精卵が細胞分裂を繰り返す初期の発育段階で、見た目が桑の実(マルベリー)に似ていることから、この名がつけられています。

【評価項目】 細胞同士の結合(コンパクト化)の程度
評価は5段階に分けられ、 M1・M2・M3が良好、M4・M5はやや劣るとされます。
(例)
M1 … グレード1、最も良好な状態を示します。


5日目胚盤胞(5〜7日目の胚)


5日目胚盤胞(blastocyst)とは、受精から5〜7日目の胚を指します。
「胚盤胞」とは、受精卵が細胞分裂を重ね、胚が大きくなって内部に胚盤胞腔(空洞)ができ始めた状態をいいます。

この段階では、胚の内部が次の2つの細胞群に分かれます。
1.内細胞塊(Inner Cell Mass):将来「赤ちゃん」になる部分
2.栄養外胚葉(Trophectoderm):将来「胎盤」になる部分

胚盤胞の評価基準は以下の通りです:
◎内細胞塊(将来赤ちゃんになる部分)
- グレード(A〜C):評価の最初の英文字で示されます。
A、Bは良好、Cはやや劣ります。
内細胞塊が多く、均一であるほど等級は高くなります。

◎栄養外胚葉(将来胎盤になる部分)
- 等級(A〜C):評価の2番目の英文字で示されます。
A、Bは良好、Cはやや劣ります。
栄養外胚葉の細胞が多く、均一であるほど等級は高くなります。

ただし、初期胚盤胞(EB, Early Blastocyst)の場合は、胚が十分に成長していないため評価できません。
成長して大きくなった段階で評価が行われます。

(例)
5BC … 着床に近い段階で、内細胞塊がB、栄養外胚葉がC

3CB … 着床段階にはまだ達しておらず、内細胞塊がC、栄養外胚葉がB


二、 体外受精での胚移植は、3日目胚と5日目胚盤胞のどちらを選ぶべきか?

胚は温度変化に非常に敏感。温度が高すぎたり低すぎたり、空気の変化や温度差があると、発育に影響を受けます。
以前の体外受精の培養装置(インキュベーター)は現在ほど高性能ではなかったため、すべての胚を体外で5日目の胚盤胞まで培養できるわけではありませんでした。そのため、多くの場合は3日目の胚を移植して着床率を高めていました。

しかし、現代の技術は進化しています。
たとえば、NUWA医療のラボでは恒温埋込型インキュベーターを用い、胚の温度を37℃に保つことで妊娠率向上につなげています。また、タイムラプス観察技術により、胚の異常な細胞分裂の様子を確認することも可能です。

例として、1つの細胞が直接3つに分裂する「DUC(Direct Unequal Cleavage)」のような異常が見られた場合、胚をD5まで培養して発育の様子をさらに観察する選択肢があります。
異常分裂のある胚では、3日目での凍結や移植を行わず、5日目まで培養して適性を見極めてからの移植が推奨される場合があります。

(一)5日目胚盤胞移植は成功率が高いのか?

5日目胚盤胞の移植は、3日目胚に比べて成功率が高いのでしょうか?
ネット上では「5日目胚盤胞の方が成功率が高い」とよく言われており、ご夫婦にとって気になるポイントです。
しかし実際には、胚の着床成功率はさまざまな要因によって左右されます。
3日目胚か5日目胚盤胞を選ぶかは、年齢、排卵誘発剤への反応、採卵数、異常分裂の有無などを考慮して、医師が総合的に判断します。

(二)自分には3日目胚移植と5日目胚盤胞移植、どちらが適している?

3日目胚移植と5日目胚盤胞移植のどちらが適しているかは、個々の状況によって異なります。
「自分にはどちらの胚移植が向いているのか?」と気になる方は、以下の内容をご参考になさってください。

3日目胚移植に適した方:

卵巣機能が低下している方や採卵数が少ない方では、3日目胚を1個以上移植することで妊娠率を高めることが可能ですが、多胎妊娠のリスクがあります。また、PGS/PGT-A(着床前染色体スクリーニング)はできません。

5日目胚盤胞移植に適した方:

5日目胚盤胞は着床率が高いので、初めて体外受精を受ける方や、年齢が若くて採卵個数が比較的多い方に適しています。
移植胚の個数が少なくても精度が高く、またPGS/PGT-Aによる染色体正常胚の選別も可能なため、妊娠成功率を高めることが可能です。

<結論>
3日目胚移植は一般的に「複数胚を一度に移植」する方法で行われ、
5日目胚盤胞移植は「少数精選で移植」する方法が基本です。

どちらの移植法を選ぶかは、個々の卵子の数や質によって決まります。
移植を行う前に、必ず医師と相談して最適な方法を検討することをおすすめします。

三、AI胚培養装置による、より精密な胚グレードの選別

『NUWA胚培養室』では、最先端のタイムラプス胚培養システムを導入しています。
この高性能インキュベーターは、胚を取り出さずに安定した培養環境で発育を観察できる設計になっているため、胚にかかるストレスを最小限に抑えることができます。さらに、胚の形態を自動で連続撮影することで、従来の定時観察では捉えられなかった動態映像を記録。これにより、胚の発育過程の細かい変化をより多く把握することができ、胚グレードの精密な判定が可能となります。


四、NUWA胚培養室のハッピーストーリー

胚のグレードにかかわらず、NUWAの医療チームはどの胚もあきらめません。どの胚にも妊娠の可能性があるからです!

この度、39歳のママが一度の体外受精治療で無事卒業されました。
この方は二人目不妊(続発性不妊)で、第一子出産後に妊活を続けましたが、3年間成果が出ませんでした。

検査の結果、AMH値は0.49(AMH:抗ミュラー管ホルモン、卵巣内の卵子の貯蔵量を示す指標)。
しかし、吳成玄医師と胚培養士チームのサポートにより、6個の卵子を採取し、うち4個が3日目胚まで培養されました。
そのうち2個を移植した結果、1個が無事着床し、妊娠3か月で順調に卒業となりました。

胚培養士にとって、小さな胚が無事に赤ちゃんとなり、患者さまが我が子を抱えて帰宅する姿ほど感動と喜びを感じる瞬間はありません。妊活中のご夫婦が、健康な赤ちゃんを無事に迎えられることを心より願っています。



五、 台湾での体外受精— 胚培養室といえばNUWA生殖医療センター


NUWA生殖医療センターでは、8台のAIタイムラプス胚培養インキュベーターを導入。
経験豊富な胚培養士チームと高度な設備により、胚の発育を24時間体制で監視・ケアし、発育過程の細かい変化を捉えることで、胚培養の成功率を大幅に向上させています。

質の高い胚培養室と専門的な胚培養士は、体外受精の成功を左右する重要な要素のひとつです。
受精から胚の養成まで、胚培養室ではすべての過程において細やかな分業とチームワークにより胚を守ります。
NUWAの胚培養チームは、胚の問題を解決し、患者さまが無事に妊娠へと進めるようサポートいたします。



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